南イタリアの山岳部を地中海側へ横断
切り立った崖の上に 村がある景色
今日はまず 何千年も前の遺跡を見て
アマルフィのある 半島へ
途中大雨の中 大渋滞に巻き込まれながら進む
二車線のはずの道が 三車線になったり 一車線になったり
イタリアの道路事情は凄まじい(運転の荒さも凄まじい)
半島に入ると 崖沿いをクネクネ進む
ときおり大型のバスとすれ違う
その度に車体と車体の距離が数センチに縮む
寿命も縮む
アマルフィは観光客で大混雑
慌ててスルー
ただ 海とぶどうばたけの景色は絶景だった
アマルフィを少し越えた道路沿いに車を止めて
崖したまで探検
途中 水溜りの中に 60オーストラリアドル
浮かれる
半島の山を越えて ローマを目指す
山越えでは 忘れられないであろう景色
高い山 と その山頂付近を ただよう雲 そこに掛かる虹
いつもと違うのは それらが 全部 立っている場所から 下にあること
絶景かな絶景かな
そして
〜〜〜日記より抜粋〜〜〜
ローマへの道々 スーパーAuchanの駐車場に停めて
トイレに行くために車を離れる
外は暗くて 大雨がふっていた
車に戻るとパジャマが ずぶ濡れで地面に落ちているので 不思議におもう
そのまわりに 黒い小さい 変な石がたくさんおちてた
「ヤられたー」
陽の声が降ってきて 顔をあげたら
車の様子が目に入るけど なにがおきてるかすぐにわからない
一瞬の間ののちに 車内の異常を 把握する
収納してあるはずのベッドマットが とびだし
ガラスは割られて 中にも 外にも飛び散ってる
中は 大雨でぬれてて
何もかもが 散乱してて
収納BOXの全部がかき乱されて
なにもかも なにもかも 盗られた後だった
全財産も パスポートもPCもクレジットカードも大切にしてたカメラもコピーも
もうなにもかも
雨の中 ひっちゃかめっちゃかの車と 私たち
陽は悔しさで顔をゆがめて拳を握って ぐるぐるまわってて
「 もう全部ないよ!次何をすべきか考えよう ね」っていいながら
自分の体が がたがた ふるえるのがわかった
はじめての 感覚
あるはずだとおもってたものが ほんとはなかったっていう事実がおそろしかった
ことばにならないけど漠然としたなにかおおきなものへの不安
おそろしくて泣きたくなったけど 今は 泣くまいと思った
全部 おわるまで 泣くまい 女だからって 泣くまい
スーパーの警備員の指示で ポリスステーションに その車で向かう
22:00 体のふるえが止まったころ ポリスステーションに着く
書類もなにもなしに すこし 待たされたあげく
大雨の中 窓がない車と 一文無しになった 2人 夜の町に放り出される
頼んでみるが ロビーで寝るのも 電話をかすのも「No!」
イタリア語で「明日8時に来い チャオ」とのこと
そこからが ホラー
町は荒れてて ゴミがあふれて そのゴミを でかい野良犬があさってる
それも 一匹や二匹じゃない
怪しげ(みんながそうみえる)な兄ちゃん達がうろつくところでは
まず寝られない
キャンプ場に泊まるお金もない
しかも 窓もないから 半分野宿のようなもの
今夜は 長い夜になりそうだね。とはなす
しばらく ぐるぐる車で回って
明るくて防犯カメラがあって屋根がある
ガスステーションの一角を間借りして夜を明かす
こわくて くやしくて なかなか寝られず
日記を書いたり 明日すべきことや 盗られたものを一覧にかいたりする
旅中もお金を上手に節約して これから美味しいものを食べる予定だった
ガマンして お金もドロボウにあげたようなもんだーと2人で笑ったり なぐさめあったり
でもおかねはいい お金じゃなくて 大切にしてたカメラが悔しい
あとはパスポート そして一生に一度のワーホリビザ
一文無しでパスポートがなかったらヨーロッパにはいられない
でも一番大切なものはちゃんとある
これがあればいい
盗られたもの
パスポート×2
ワーホリビザ×2
運転免許証×2
カメラ×3
カバン×3
バックパック×2
クレジットカード×3
電話×2
手帳
レターセット
化粧品全部
パソコン
i-pod
お金 全部
(USドル1200$ 130ユーロ)
トラベラーズチェック
(10万円分)
心
服 ほとんど
生活用品 自炊グッツ
バスタオル←※